フリーランスエンジニアとしてのキャリアはとても魅力的な面ばかり見えているかもしれませんが、一方で、フリーランスエンジニアはきついと言われるだけの側面も持ち合わせています。
この記事では、フリーランスエンジニアになってから後悔する可能性のあるポイントを挙げ、そのような後悔を避けるための具体的なアドバイスをご紹介します。
正社員からフリーランスに転身しようと考えている方、現在フリーランスとして働いている方、そして未経験からフリーランスエンジニアを目指す方へ、この記事が有益な指南書となることを願っています。
目次
フリーランスエンジニアになって後悔したこと
スキルアップが難しい
フリーランスエンジニアとして最も直面する課題の一つが、スキルアップの難しさです。
正社員として働いているときは、会社が提供する研修やプロジェクトを通じて技術力を自然と高めることができました。
しかし、フリーランスになると即戦力として期待されるため未経験領域の実務経験を積むことが非常に難しいです。
ここで取れる選択肢はいくつかあります。
- 現場で未経験領域に挑戦するチャンスを掴む
- 低単価で未経験でもOKな現場に入る
- オンラインやコミュニティで学ぶ
現場で未経験領域に挑戦するチャンスを掴む
現場での働きぶりがクライアントに認められると、他案件へのスライドという名目で未経験の言語やインフラ構築を任されることがあります
このようなチャンスは絶対に逃してはいけません。
お金をもらいながら未経験領域の実務経験ができるというのはとても恵まれた状況です。
期待に応えることができるかどうか不安になるかもしれませんが忘れないでください。チャンスは何度も訪れるものではありません。
フリーランスを続けるのであれば、スキルアップの機会には敏感であり続けましょう。
低単価で未経験でもOKな現場に入る
例えば必須スキルでPHP経験2年が必要な案件があった場合、PHP経験5年のエンジニアは案件に入りやすいでしょう。
その場合単価は通常より低くなりますが、その分、他の言語に関しては未経験でも大丈夫ということが稀にあります。
短期的に見ると単価が下がるのは避けたいかもしれませんが、長期的に見ると未経験領域の実務経験ができ、ゆくゆくは単価を上げることに繋がり、エンジニアとしての寿命を伸ばすことにも繋がります。
大事の前の小事。目の前だけではなく、今後歩くことになる道を平坦にできるよう今苦労する選択肢を取る勇気を持ちましょう。
オンラインで学ぶ
上で未経験でも大丈夫な場合があると言いましたが、クライアント側からすれば事前に勉強しておいてもらうに越したことはありません。
特に自分が経験したい言語については日頃から少しずつ基礎学習をしておきましょう。
学習方法として一般的なのは参考書を購入してからの独学ですが、基礎的な勉強ということであればyoutubeで事足ります。
大体の言語については、親切な有識者の方々が丁寧にわかりやすく動画にまとめてくれていますので有効に利用しましょう。
案件が決まらない
フリーランスの世界では、安定した案件獲得が成功の鍵となります。
しかし、案件が決まらないこともあります。主な原因は2つ。
一つ目はスキル不足です。
そもそも最低限フリーランスとしてやっていけるだけのスキルがなければ案件は決まりません。
別の記事で私のスキルセットを公開しているので参考にして下さい。
2つ目は単価設定です。
案件を獲得するスキルがあっても、単価設定を間違えると案件は決まりません。
エージェントやクライアントの動きを注意深く見て、自身の単価を見極めるようにしましょう。
その際、エージェントに自身の予想単価を聞くのは注意が必要です。
マージンを公開していないようなエージェントだと、相場より多いマージンを取られる可能性があります。
自分の単価は自分でしっかり見定めるようにしましょう。
インボイスが怖い
フリーランスとして働く上でインボイス制度を避けて通ることはできません。
従来であれば1円の消費税も納める必要がなかったにも関わらず、インボイス登録すると消費税を納めることになります。
しかし、2026年9月30日までは2割特例が適用されるため消費税の納付は通常の2割で済みます。
ではなぜ登録しなければいけない流れになるのか。
それは、フリーランスに対して報酬 + 消費税を支払うクライアント側の都合です。インボイス制度導入によって、クライアント側は、インボイスに登録していないフリーランスに支払った報酬 + 消費税について、仕入税額の控除対象として認められなくなったのです。
これ以上の詳細は割愛しますが、ここで強調しておきたいことはインボイス登録せずに済むエージェントがあるということです。
私が実際に話を聞いたエージェントで、インボイスに関係なく案件を取れるところはレバテックフリーランスとギークスジョブです。
この2つのエージェントは案件数もトップレベルに多いので、まだ消費税を支払いたくないという人にはおすすめのエージェントです。
後悔しないために
正社員からフリーランスになろうとしている方
スキルアップの機会は積極的に取りに行きましょう。
フリーランスは未経験領域における実務経験を積むことは非常に難しいです。
そのため小規模なシステムでもいいので、インフラ構築、要件定義、基本設計、詳細設計、コーディング、単体テスト、結合テスト、総合テスト、保守は一通り一人称でできるようになるとフリーランスでの活動がやりやすくなります。
「一人称でできる」と宣言する以上は、「インフラ構築をどう進めましたか?」と説明を求められた際、インフラ構築の流れを説明できる必要があります。
他の工程についてもそうですが、自身の経験を箇条書きでもいいのでまとめておくと面談で実際に説明を求められた際にテンパらずに済みます。
余談ですが、セキュリティ対策や負荷対策などの経験があるとスキル的にかなりプラスになるので、この2つは無理矢理にでも現在の職場で経験を積んでおきましょう。
正社員からフリーランスになる方向けのエージェント
マージン重視であればPE-BANK、案件数重視であればレバテックフリーランスをおすすめします。
PE-BANKは他のエージェントより中抜きが少ないので、案件の内容の割に単価が高いです。
しかしその分、保有している案件数は少なめです。
レバテックフリーランスは中抜きはPE-BANKより多め、とはいえ業界的には標準的です。
案件数は業界トップレベルに保有しているので3日に1回くらいは複数の案件を紹介してもらえます。
私のエージェントの使い方としては、現場を退場する2,3ヶ月前から案件を探す場合はPE-BANK、退場1ヶ月前になっても決まっていない場合はレバテックフリーランスを追加という体制で案件探しを行なっています。
現在フリーランスの方
スキルアップへの意識がなくなった瞬間がフリーランスの寿命です。
フリーランスにとって、現状維持は衰退であることを忘れてはいけません。
私は一時期スキルアップへの意識が薄れており惰性で現場の仕事をこなしていたのですが、案の定、次の現場が決まるまでに時間がかかり1ヶ月程経歴に穴を開けてしまいました。
とはいえ、既に要件定義から保守まで全てを一人称でハイレベルにこなせる人であれば単価80万〜100万は堅いでしょう。
しかし、それも年齢が上がれば上がるほど案件の獲得が難しくなっていくのがフリーランス業界の現状です。
単価が上がったからと言って慢心してはいけません。
フリーランスとは、足を止めたら容赦無く鎌を振るってくる死神が伴走している状況なのだということを肝に銘じておきましょう。
現在フリーランスの方向けのエージェント
現在フリーランスで活動していて、エンジニアとしての寿命を伸ばしたいと考えている方は【Tech Stock】の利用を検討してください。
上流工程の経験を積める案件を多数保有しているので、エンジニアとしての経験があれば上流工程が未経験だとしても獲得できる案件を紹介してもらえます。
客観的に自己分析をした結果、正社員として働くべきかもしれないと考えている方は【Tech Stars Agent】の利用を検討してください。
20代から40代までの幅広い年代をカバーしているエージェントなので、どのレベルのキャリアでも対応してくれます。
Tech Stars Agentの強みとしては「早期離職率0.45%」を掲げており、これはエンジニアが希望の転職を実現できたことを示す一つの指標といえます。
足場を固めたくなった方は是非ご検討ください。
未経験からいずれフリーランスになりたい方
そもそもですが、未経験からフリーランスになることは私の知る限りでは不可能です。
未経験 → 会社員 → フリーランスというステップを踏むのが妥当かと思いますが、「フリーランスになりたい!」と未経験の時から考えている方にはアドバンテージがあります。
それは会社員の時に、フリーランスになった時に困らないスキルセットを意識しながら働けることです。
この意識を持って働いていれば、スキルセット次第ではありますが、2年程度の実務経験でもフリーランスで働いていける可能性は十分にあります。
ちなみに私は全く違う業種からIT業界に転職して3年の実務経験を積んでいるのですが、当時のスキルセットや初めてのフリーランス現場での収入など、詳細は別の記事に書いておりますので気になる方は参考にしてください。
未経験の方向けのエージェント
未経験の方は兎にも角にも正社員になって実務経験を積みましょう。
未経験からIT・Webエンジニアを目指すなら【ユニゾンキャリア】がおすすめです。
ユニゾンキャリアは利用者の口コミの良さを全面に出しているエージェントなので、早い話、悪いことができません。
実態としても、利用者のキャリアプランやIT業界の動向を丁寧にレクチャーしてくださるので未経験者にとっては相談してみるだけでも参考になることが多いかと思われます。
最後に
フリーランスエンジニアとしてのキャリアは、適切な準備と継続的な努力があれば報われるものです。
上記のポイントを心に留め、計画的にキャリアを進めていくことで、後悔のないフリーランスライフを送りましょう。